研究内容


量子技術と機械学習の融合

量子技術と機械学習の画像

 量子技術と機械学習は目覚ましい発展を遂げてきています。
しかし、それぞれにおいて大きな壁があることもわかっています。

 例えば、量子コンピュータを実現するためは大規模な数の量子ビットを用意する必要がありますが、現状では小規模な量子ビットしか準備することができていません。
機械学習においても、年々指数的に増加するデータ量に対し、線形に増加する計算能力では限界があります。

 機械学習を用いることで人手では困難な大規模な量子系制御技術を達成できないか、
量子技術によって指数的に発展可能な計算基盤を創出できないか、これが我々のスタート地点です。そして、単にそれぞれの問題を解決するだけでなく、融合した新たな技術基盤を構築したい。我々が最終的に目指すゴールはそこにあります。

機械学習を用いた自動制御・最適化技術

自動制御と最適化技術の画像

 量子系を準備するためには、さまざまなパラメータの調整が必要となります。これまでこの作業の多くは人によってなされ、膨大な労力と時間を要していました。更には、その作業効率が実験家の経験や勘に大きく依存する点も問題でした。

 大規模なシステムの構築や大量生産を考えると、人の手によらない自動制御・最適化技術は避けては通れない課題となります。近年目覚ましい発展を遂げている機械学習はこの課題を克服するうえで最適なツールと考えられます。

 我々は、いくつもの個別な例で自動最適化を試み、それらケーススタディをもとに汎用的な技術を開発していきます。現在は、測定データの解釈と予測に基づいた効率的な探索に主眼を置いて研究を進めています。